性的活動を行わない夜(通常の就寝)

  • ソロでのマスターベーション(オーガズムあり)

  • パートナーとの性行為(オーガズムあり)

  • それぞれの条件の後、参加者はDREEM3を装着し、その夜の睡眠データが自動的に記録されました。また翌朝には、睡眠の満足度、日中の意欲、やる気などについても記録してもらいました。

    これにより、「主観と客観の両面」から、オーガズムを伴う性的活動が睡眠に与える影響を評価したのです。

    マスターベーションでも効果あり!性的活動がもたらす睡眠の改善とは?

    Credit:canva

    結果は明確でした。性交とマスターベーションのどちらの場合も、次のような共通のポジティブな効果が見られたのです。

    まず、「夜中に目覚める時間(WASO)」が短くなり、眠りの持続性が改善されていました

    性的活動をしなかった夜では平均約23分間の覚醒時間がありましたが、オーガズムを伴う活動を行った夜では約16分にまで減少していたのです。

    また、「睡眠効率(Sleep Efficiency)」(ベッドにいた時間のうち、実際に眠っていた時間の割合)も、性的活動なしの夜は91.5%だったのに対し、マスターベーションで93.2%、性交では93.4%と、いずれも2%程度睡眠の質が高まっていたのです。

    しかし数字で示されたこの2%というのはどの程度意味のある差なのでしょうか?

    今回の研究では、主観的な評価も同時に行っています。

    こうした参加者の主観的な実感に基づく「寝つきの速さ」や「ぐっすり眠れたかどうか」といった自己評価においては、性的活動の有無による明確な差は見られませんでした。

    研究者はこの点について、「睡眠効率が2%向上するという変化は、客観的評価においては意味のある改善だが、本人の感覚に現れるほどの差ではないようだ」と述べています。

    つまり、オーガズムを伴う性的活動によって、睡眠の質は数値上確かに向上していたが、実感が伴うほどの変化ではなかったといえます。