研究者たちがこの7種類のバグを調べたところ、いくつかは従来のソフトウェアのバグに類似しているものも存在することが明らかになりました。

たとえば不適切な共有動作(Incorrectly Shared Behavior)は、異なる2つのオブジェクトが誤って共有ベースから継承されてしまうという、一般的なソフトにみられるエラーに似ています。

またコンディションの適切な再チェックの失敗(Failure to Appropriately Recheck Condition)」と「ステートの早すぎる終了(State Exit Too Early)」は制御フローの問題に似ています。

さらに「不正な状態を不適切に修正(Improper Correction of Illegal State)」も一般的なソフトにみられるバグと共通しています。

そのため研究者たちは、スピードラン分野などのバグ利用者たちの活動は、一般的なソフトのセキュリティー向上やバグ改善に役立つ可能性があると述べています。

スーパーマリオメーカー2に40年前と同じバグが存在する

スーパーマリオメーカー2に40年前と同じバグが存在する
スーパーマリオメーカー2に40年前と同じバグが存在する / Credit:任天堂 . スーパーマリオブラザーズ

任天堂は現在でもスーパーマリオのゲームを発売し続けています。

2019年には初代を含む過去のスーパーマリオブラザーズのスタイルでプレーヤーがマップを自分で自由に作れる「スーパーマリオメーカー2」が発売されました。

そこで研究者たちはスーパーマリオWikiに掲載されている過去作のバグが、新しい「スーパーマリオメーカー2」にも存在するかを調べてみました。

すると驚くべきことに、マリオや敵を加速させるバグ、斜面の間にオブジェクトを埋め込むバグ、道を切り裂くバグなどが、1985年当時と同じように残っていることが判明しました。

この結果は、40年以上も経った今でも、プラットフォーム(ハード)を超えて、初代のバグが継承されていることを示しています。