ゲームの最速クリアを目指す動画(RTA)では、よく理解を超えた謎のバグを利用してありえないクリアタイムを叩き出すことがあります。
実はこの特殊なバグは、専門的な情報分野でもかなり注目に値するものだったようです。
イギリスのブリストル大学(UoB)で2024年に行われたスーパーマリオシリーズを対象にした研究により、RTA走者のバグを利用しようとする情熱が、一般のソフトウェアのセキュリティーを向上させたり、バグから守ってくれる可能性が示されました。
研究では4本のレトロなスーパーマリオ(初代、3、ワールド、64)のバグ技が調べられており、一般的なソフトウェアのバグとの関連性が調べられました。
結果、既存の分類に属さない7種類のバグが含まれていたことが判明します。
研究内容の詳細は2024年4月23日にプレプリントサーバーである『arXiv』にて「スーパーマリオ・イン・ザ・ペニシャス・キングダム:古いゲームのグリッジ分類(Super Mario in the Pernicious Kingdoms: Classifying glitches in old games)」とのタイトルで公開されました。
目次
- RTA走者の工夫が未来のソフトウェアを守ってくれる
- スーパーマリオメーカー2に40年前と同じバグが存在する
RTA走者の工夫が未来のソフトウェアを守ってくれる

ネットに投稿されているゲームプレイ動画ではしばしば、一般人にはなかなか真似できない「スーパープレイ」がみられます。
特にゲームをどれだけ早くクリアできるかを競うRTA(リアルタイムアタック)は人気が高く、自分が何時間もかけて攻略したゲームを一瞬でクリアする様子は、ある種の爽快感や感動、そしてときには笑いも提供してくれます。
一方、RTA業界には手段を問わないルール無用の部門が存在します。