その証拠に、GoogleやAmazonといったデータドリブンな評価を行うリーディングカンパニーは、「オフィスでの共同作業の方が生産性が高いと判断」し、リモートワーク解除で退職者が出てもなお、次々とオフィス勤務回帰を決断している。これは、強制力が生産性を高めるという強い証拠と言えるだろう。
2.努力が認められる環境
頑張りが正当に認められ、社内評価が高まる職場はやる気が出やすいものだ。筆者は様々な職場で働いたが、流れ作業で延々単純作業を繰り返すだけの仕事はあっという間にやめてしまった。
一方で「ありがとう」「助かるよ」と感謝されたり、努力がしっかり認められる職場では精力的に楽しく働いたという感覚がある。これはハーズバーグの二要因理論でいう「動機付け要因」にあたり、内発的なモチベーションに深く影響する。
3.仕事の資産性
仕事内容が労働市場でスキルや経験として価値を帯びるものなら、人は必死に頑張れる。何より「自分自身にリターンがある」と考えられるからだ。
たとえば同じ専門職でも、仕事で英語を使う職場は価値が高いだろう。仮にその職場で少しくらい給与が安くても、その次の転職で「専門性×英語」で大きく跳ねることが想定できるからだ。
実際、dodaやビズリーチといった転職サービス企業の調査では、ビジネスレベルの英語スキルを持つ人材は、そうでない人材に比べて年収が10%~20%以上高くなる傾向が報告されている。自分自身がこの戦略で転職時に年収200万円アップした実績があるので肌感覚でそう思うのだ。
4.ベンチマークの存在
人は最も人から影響を受けるものである。「この人のようになりたい」と目標になるような人材がいるなら、それは強力な引力になり得る。
自分自身、非常に厳しい上司の元で毎日叱られながら働いた経験があったが、彼のビジネスマインドやスキルは非常にハイレベルだったので、離職せずに粘り強く取り組んだ。今でもそれらは資産として自分の中に残っているし、一緒に働けたことは自分にとっては宝である。