しかし、政府が課した税金によって国民がどのくらいのものを失ったのか、誰も見ることはできません。

税金がなければ、人々はそのお金を自分の好きなように使ったり、貯蓄したりできたのです。

新しい靴を買う人もいるでしょうし、旅行に行く人もいるでしょうし、起業の資金に充てる人もいるかもしれませんし、将来のために貯金する人もいるかもしれません。 可能性は無限大です。

私たちは自分にとってどんな支出が必要かを、どんな官僚よりも自分自身がよく知っているのです。

だからこそ、誰もが「良い経済学者」のように考えることが重要です。つまり、今すぐに目に見えるものだけでなく、目に見えないその先を考慮することが重要なのです。

それによって、お金の使い途について(長期的に)より賢明な判断ができるようになります。 そして、政治家が私たちからお金を奪おうとするときに、その責任を追及できるのです。

最後まで読んでくださりありがとうございました。

このヘンリー・ハズリットが本で紹介しているパン屋の割れ窓の話は、もともとは、19世紀のフランスの経済学者フレデリック・バスティアの「見えるもの、見えないもの」の話が元になっています。

フレデリック・バスティア

バスティアの「見えるもの、見えないもの」については、先日、関税についての記事(↓)でも紹介していますので、よろしければ御覧ください。

関税の隠れたコスト?~『見えるもの、見えないもの』とは?|自由主義研究所
こんにちは!自由主義研究所の藤丸です。 本日4月9日、トランプ米政権による相互関税いわゆる「トランプ関税」が発動しました。
トランプ関税、中国104%に 70カ国交渉も世界不況懸念 - 日本経済新聞 トランプ米政権による相互関税が日本時間9日午後1時1分(米東部時間9日午前0時1分)に発動する。中国製品には...

編集部より:この記事は自由主義研究所のnote 2025年5月25日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は自由主義研究所のnoteをご覧ください。