もしあなたが「パン屋の友人の論理は明らかに間違っている」と思うなら、今日世の中にどれほど多くの「悪い経済学者」がいるかに驚くかもしれません。
例えば、2008年にノーベル経済学賞を受賞した著名な経済学者ポール・クルーグマンは、
「9.11事件や自然災害、さらには架空の宇宙人からの攻撃のような事件でさえ、アメリカ経済を押し上げる」と主張しました。

ポール・クルーグマン
「パン屋の割れた窓」と同様に、です!
確かにこれらの悲劇が建設業や清掃業、対宇宙人兵器の開発などの雇用を生むのは事実でしょう。
しかし、それが社会全体をより豊かにするわけではありません!
窓が割れた場合と同様に、これらの事業で利益を得る企業は、同時に他の誰かの損失によって成り立っています。
重要なことは、経済学の目的は、単に働いたりお金を稼いだりすることではなく、私たち「個人の欲求や必要を満たすこと」だということです。
もし誰も対宇宙人兵器を望まず必要としないのであれば、そのために費やされたお金・時間・資源は無駄になります。
そのお金・時間・資源は本来は、人々が本当に欲しがり必要とする商品を生み出すために使われたはずなのです。
機会費用とは、「(もはや利用できない)時間・資源・お金」を使って、本来であればできたはずのあらゆることを意味します。
だからこそ、私たちはお金や時間の使い途を考えるとき、その行動がもたらす広範な影響を検討しなければならないのです。
これを考慮すれば、私たちが本当に望むものを実現するための資源が増え、結果として誰もがより豊かで幸福になれるはずです。
しかし、残念ながら、政府はパン屋の友人のように、「良い経済学者」の思考ができません。
政府は、財やサービスを提供して対価を得る生産者や製造業者やパン屋とは違うのです
政府が得るのは税金だけであり、政府はその税金を自らの選んだ計画に投じます。
例えば、新しいフットボールタジアム建設のために税を徴収すると、政治家は大きな試合を示して「これがあなたたちの税金で建てられたものだ!」と言います。