LiDARが暴いた驚くべき遺構群:計画都市の発見

 ここ10年ほどで、ブラジル、ボリビア、ペルーの研究チームがLiDARを用いてアマゾン流域をスキャンし、衝撃的な発見が相次いでいる。ブラジル西部アクレ州では、土を盛り上げて作られた450以上の巨大な幾何学模様「ジオグリフ」が確認された。多くは長い直線的な道で結ばれ、手つかずの森林の下にも存在することがLiDARによって証明されたのだ。

 さらに南、ボリビアのベニ県では、2022年に学術誌「ネイチャー」で、カサラベ文化(西暦500年~1400年頃)に属する20以上の集落跡が森林下から発見されたと報告された。スキャン画像には、巨大なマウンド(墳丘)、基壇状の建造物群、中央広場、そして数キロにわたり集落間を結ぶ土手道が映し出されていた。中には高さ20メートルを超えるマウンドもあり、防御用の堀や運河で囲まれていたという。これらは、アマゾンでこれまで記録されたことのない高度な計画性と建設技術の存在を示している。

“手つかずの秘境”は嘘だった?アマゾン、LiDARスキャンが暴いた「失われた都市」の衝撃
(画像=画像は「YouTube」より,『TOCANA』より 引用)

 ペルー東部のウカヤリ川流域でも同様の発見があり、高床式の畑や運河、養魚池のネットワークは、長期的な人間の居住と土地管理の確かな証拠だ。考古学者たちがアマゾンで発見しているのは、孤立した村々ではなく、持続的な人間の努力によって形成された広大なネットワークと景観なのである。かつて永住には不向きと考えられていた地域で、都市や道路、農業システムを構築していた古代文明の姿が、今、明らかになりつつある。

“手つかずの秘境”は嘘だった?アマゾン、LiDARスキャンが暴いた「失われた都市」の衝撃
(画像=画像は「YouTube」より,『TOCANA』より 引用)