実際、ハイン教授は「一般的な『8時間睡眠』というアドバイスも、文化的背景に合わせて調整する必要がある。万人に当てはまる“一律の理想睡眠時間”など存在しない」と強調しています。

睡眠という普遍的な生理現象にも文化の影響が及ぶという視点は、人々の健康管理や医学的助言に新たな展開をもたらすかもしれません。

今後は社会文化的な要因を考慮した上で、各国・各地域に適した睡眠のとり方や改善策を模索していくことが期待されます。

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元論文

Healthy sleep durations appear to vary across cultures
https://doi.org/10.1073/pnas.2419269122

ライター

川勝康弘: ナゾロジー副編集長。 大学で研究生活を送ること10年と少し。 小説家としての活動履歴あり。 専門は生物学ですが、量子力学・社会学・医学・薬学なども担当します。 日々の記事作成は可能な限り、一次資料たる論文を元にするよう心がけています。 夢は最新科学をまとめて小学生用に本にすること。

編集者

ナゾロジー 編集部