鹿島は、地元の子どもたち向けのサッカースクールや地域イベントを通じて、地域の誇りを育んでいる。また、クラブのスローガン「Football Dream」は、どんな困難も乗り越える強い意志を象徴している。鹿島のサッカーは鋭い攻撃と組織的な守備により相手を圧倒するスタイルで、サポーターのチャントも迫力満点だ。


川崎フロンターレ 写真:Getty Images

川崎フロンターレ「エンタメ性」「地域との絆」

川崎フロンターレは今ではJ1の強豪となったが、2000年代初めはJ2での苦闘が続いた。2017年以降はJ1優勝5回を達成し、攻撃的なスタイルを確立した。クラブのアイデンティティーは、「エンタメ性」と「地域との絆」だ。

ホームスタジアムの等々力陸上競技場(現Uvanceとどろきスタジアム by Fujitsu)は、タワマンが林立する武蔵小杉駅近くにある。子育て世代が流入したことで、川崎市中原区はここ20年で6万3000人も人口が増加した。スタジアムにも子どもの姿が多く見受けられるのが特徴だ。

地域の子どもたちや家族向けのイベントを頻繁に開催することでも知られ、中にはサッカーとは関係ない内容(チーム名をもじった「おフロんた~れ」と銘打った銭湯とのコラボキャンペーンや、スタジアム場外のフロンパークでの「フロンターレ牧場」など)も含まれるが、それもまたクラブのカラーとしてサポーターに受け入れられている。

当初、こうした“お遊び色”の濃い試みによって、「そんなことしているから優勝できないんだ!」という声もあったというが、準優勝ばかりの“シルバーコレクター”から脱し、2017年に初タイトルを手にしたことで、批判的な声を結果で封じ込めてみせた。

ピッチ上では、2012シーズンに就任した風間八宏監督(2012-2016)が落とし込んだ流れるようなパスワークが観客を魅了し、後に監督が誰になろうとも、チームのスタイルとして脈々と受け継がれている。


いわきFC 写真:Getty Images

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