ただし、イルカの遊びといっても、水族館で華やかなショーをするイルカからイメージするような、穏やかな遊びではありません。

ミナミハンドウイルカという体長2.5mほどのイルカは若い時期(約4~14歳)に、複数頭があつまり「交尾ごっこ遊び」をします。

これはどういう遊びかというと、「1頭のメス役と、複数頭のオス役がおり、このオス役がメス役にマウントしたり、ペニスをぶつけたりする」遊びです。

なお、この遊びがオスだけで行われる場合は、いずれかのオスがメス役を担うことになります。

 

イルカたちは一風変わった遊びをするようですが、そもそも「なぜ、若いころに遊ぶのでしょうか?」。

とゆうのも、遊んでなどおらずに、たくさん餌を食べて、早く大きくなって、早く繁殖に参加したほうが、「たくさんの次世代を残す」という生物としての目的を達成するには都合がよさそうです。

加えて、「なぜ、遊びが交尾ごっこなのでしょうか?」。

一人遊びでもなく、モノを使った遊びでもなく、他者とかかわりあう社会的な遊びであり、しかもそれが交尾を真似た遊びであることに、なにか特別な意味があるのでしょうか?

この疑問に、西オーストラリアのシャーク湾を拠点とする国際チーム「Shark Bay Dolphin Research」が、ホルム氏(Holmes, KG)を筆頭として取り組みました。

今回の研究にて、チームはオスにおける遊びの重要さに着目しました。

とゆうのも、このミナミハンドウイルカのオスの社会は、私たちヒトの社会に匹敵するほど複雑であるとされているために、他者とかかわる重要性は、メスに比べて、オスのほうが高いと想定できるためです。

イルカのオスは仲間の恋愛をサポートするヒト以外で最大の「陽キャグループ」を作っていた!

研究チームは、「若いオスたちは遊びを通じて、交尾のテクニックを向上させたり、将来の一緒にメスを口説く仲間との友情を深めたりする」という仮説を立てました。