2023/24シーズンもレギュラーとして活躍し、ブライトンのクラブ史上最高のリーグ6位に貢献。2024年にはケガで出遅れたものの、現在も左ウイングの主力としてプレー。ドリブル成功率や1対1の勝率でリーグトップクラスを維持している。
日本代表デビューは2020年11月。2022年のカタールW杯スペイン代表戦では、ゴールラインぎりぎりからボールを折り返し、MF田中碧の逆転ゴールに繋げる「三笘の1ミリ」を演じて話題に。日本のベスト16進出に貢献した。
トップ昇格を蹴って大学に進学するという異例の経歴を辿った三笘だが、その決断がフィジカルと戦術理解の強化に繋がり、プロ入り後の即戦力化を可能にしたと言えるだろう。
川崎の下部組織時代から磨いた1対1の強さや独特のドリブル技術が、Jリーグ、ベルギー、プレミアリーグでも通用。データ分析でもドリブル成功数でリーグ上位を記録している。その源はベルギーでの1シーズンで、プレミアリーグへのスムーズな適応を助けた。
筑波大でのフィジカル強化と戦術理解、川崎でのJ1連覇、ベルギーでの欧州デビューを経て、世界最高峰リーグのスター選手に成長した三笘。大学進学と、段階的な海外挑戦が成功の鍵となった。W杯やプレミアリーグでの活躍により、川崎下部組織出身選手として世界に強烈なインパクトを残す存在となった。

市川大祐(2016年引退/1996-1998清水エスパルスユース)
最後に1人だけ、引退した選手、清水エスパルスユース出身のDF市川大祐を紹介したい。まだユース選手育成のためのメソッドが発展途上だった時代だ。
1998年3月21日に行われた日本平球技場でのJ1開幕戦、北海道コンサドーレ札幌戦(4-1)にユース所属ながら右サイドバックとして先発出場した市川。当然ながら選手紹介の際には、名鑑にも掲載されていない17歳の高校2年生の大抜擢にゴール裏のサポーターからもどよめきが起きた。