2018年1月、19歳の若さでベルギー1部のシント=トロイデンVVに移籍。福岡に億単位の移籍金を残しただけではなく、その後、セリエAボローニャに移籍の際は推定1,000万ユーロ(約12億円)、アーセナルに移籍の際には推定1,980万ポンド(約30億円)の移籍金が発生した。
この3度にわたる移籍によって、移籍金の中から連帯貢献金が発生し、ボローニャ移籍時に推定2,750万円、アーセナル移籍時に約1億5,000万円が福岡に支払われた。もちろん本人の努力の賜物だが、たった1人の選手を育て海外移籍に繋げただけで、福岡に移籍金と連帯貢献金合わせて推定2億~3億円の収入をもたらしたことになる。これ以上ない“孝行息子”と言えるだろう。
冨安の大出世によっては、従前は東福岡高校や東海大福岡高校に流れていた有望選手が福岡ユースに集まるようになり、昨2024シーズンはプレーオフの末、高円宮杯U-18プレミアリーグWESTへの昇格を決めた。
今2025シーズン前には、FW前田一翔とFWサニブラウン・アブデル・ハナンがトップチームに昇格しただけではなく、クラブ財政も6期ぶりに黒字に転換した福岡。育成に力を入れたことで増収に繋がる好例を示した。

遠藤航(リバプール/2008-2010湘南ベルマーレユース)
今2024/25シーズン、リバプールで“クローザー”として存在感を示し、プレミアリーグ優勝に貢献した日本代表MF遠藤航。ブンデスリーガのシュツットガルトのレギュラーとして活躍していたが、リバプール加入当初英国メディアやサポーターは「エンドウって誰?」という反応だった。そうしたネガティブな評価をプレーで覆した格好だ。
そんな遠藤は横浜出身で幼少期は横浜F・マリノスのファンだったが、同クラブのセレクションに落選。代わりに中学3年時に湘南ベルマーレユースからオファーを受け2008年に加入。頭角を現すと、2010年には2種登録としてJリーグデビューを果たした。