同じく2023年には、ゴールドマン・サックスが生成AIによる自動化の潜在性について分析しました。
その研究では、アート・デザイン・エンタメ・メディアなどクリエイティブ分野のタスクの約26%が高度な自動化が可能と試算されました。
これはクリエイティブ系も例外ではなく、生成AIは文章やビジュアルコンテンツを高度な水準で作り出せるため、従来人間が担ってきたクリエイティブ作業の約4分の1がAIに置き換わり得ると指摘されています
もっとも、この予測は「潜在的な可能性」であり、実際の雇用喪失とイコールではない点に留意が必要です。
世界:フリーランス市場データ分析 (2024年)
2024年発表の国際研究では、大手フリーランス仲介サイト上の約1年間(ChatGPT公開前後)の300万件超の求人データを分析し、生成AIが需要に与えた影響を調べました。
結果、単純なライティングや翻訳の仕事は大幅減少が確認されています。
例えばウェブサイトの「About Us」ページ執筆依頼は週平均求人件数がChatGPT公開後に50 %減、英語など西洋言語の翻訳は約30%減(他言語も約20%減)に落ち込むなど、文章作成や翻訳の需要が全体トレンドに比べ20~50%も低下しました。
特に短期契約や経験豊富なフリーランサーほど仕事減の影響を受けたことが指摘されています。
2:イラストレーターたちの現場の声

調査データを裏付けるように、SNSやコミュニティでもイラストレーターたちの悲痛な声が多数投稿されています。
その一例が、今年話題になった「AIに仕事を奪われた絵師」のエピソードです。
あるフリーのイラストレーターは、コミッションサイトで細々と年間200件近い依頼をこなして生計を立てていましたが、生成AI(NovelAIやNijiJourney)の登場後に依頼がぱったり来なくなり、「これはもう無理だ」とイラストで食べていくことを諦めて再就職したといいます。