ジョージ・クルーニーといえばNo.1のハリウッド・スターで、熱心な民主党のサポーターとして知られる。しかしいまや彼を扱う記事でも、遠回しながら、トランプ再選を後押しした要因のひとつが「トランスジェンダーの ”無敵化” への反発」にあったと認めているように見える。

ジョージ・クルーニー、民主党がトランプに負けた理由を述べる - THR Japan
ジョージ・クルーニーが2024年大統領選における民主党の敗因について語った。

彼の見解では、「政策が不人気だったのではなく、メッセージの伝え方が効果的でなかった」という点が問題だった。……バイデン自身の発信力の低下も影響したとクルーニーは指摘している。

選挙の数ヶ月前に行われたギャラップの世論調査では、移民、犯罪、ホームレス問題、インフレが有権者の主要な関心事であり、カマラ・ハリスの支持率はバイデンが撤退する前から控えめだった。また、選挙運動中で最も効果的な広告は、トランプがトランスジェンダーの権利を巡る議論を武器にした広告だとされている。

日本人が洋画を見なくなって久しく、今月のアカデミー賞の話題もまた、この国では伊藤詩織監督のドキュメンタリーの当否(落選)に集中していた。しかしそれ以上に、今回の顛末は「時代の転換点」として、歴史に刻まれる可能性が高い。

#MeToo な季節の終わり|Yonaha Jun
3/3(現地時間では前日)に発表される米国のアカデミー賞では、伊藤詩織監督の作品が長編ドキュメンタリー部門の候補になった。ところがご存じのとおり、日本での評判はいま、きわめて悪い。 性暴力の被害を訴えてきた彼女が、裁判以外では使用しないとの約束で入手したホテルの監視カメラの映像を、無許可で映画に流用していることが判...

アカデミー賞の惨状が示すように、自分は特定の属性を持っているから、なにを言っても「被差別者の声」として聴かれる資格があり、批判するなら差別者だと言い張ってよい「無敵の人」(通常の意味とは違うが)のポジションを作ることは、かえって反差別の運動を弱体化させる。なぜか。