パッキングレート(Packing-Rate):パッキングレートは、1つのパスやドリブルで何人の相手選手を置き去りにしたかを示す数字だ。例えば、スルーパスで3人のDFを無効化した場合、パッキングレートは3となる。この指標は、攻撃の効果を測るのに役立つ。
守備圧力度:守備圧力度は、守備陣がどれだけプレッシングをかけているかをトラッキングデータで測定する。選手の移動速度や相手との距離を基に、守備の積極性を数値化する。最先端のxGモデルでは、守備圧力度をシュート確率の変数に組み込む例もある。
ポゼッション価値(Possession Value):ポゼッション価値は、ボール保持がどれだけゴールに近付くプレーにつながったかを評価する数値だ。例えば、敵陣深くでのパスは、自陣での横パスより高い価値を持つ。この指標は「ボールを握っている」ことと「ボールを持たされている」ことの違いを示し、ポゼッションサッカーの効果を測るのに有効だ。
シュート明瞭度:シュート明瞭度とは、シュート時にゴールとボールの間にいる守備選手の数を基に、シュートの見通しを評価する数字。守備選手が少ないほどxGが上昇する。
しかしながら、データは万能ではない
xGや、それに続く新たなスタッツの登場は、サッカー分析を大きく進化させる可能性を秘めている。AIとトラッキングデータの活用により、従来は属人的な主観に頼っていた戦術や選手評価が、客観的な数値で裏付けられるようになった。2022年、スタッツ・パフォーム社のAI『Qwinn』は、50万本以上のシュートを分析しxGモデルの精度を向上させた。
今後は試合中にxGやxAをすぐさま表示し、そのデータを基に監督が即座に戦術を変化させるリアルタイム分析や、選手ごとの動きや判断をトラッキングデータで細かく分析し、個々の貢献度を可視化出来るようになるだろう。また、xGを活用したシミュレーションや予測アプリが普及し、ファンがサッカーくじ(totoやWINNER)の予想に生かすことで試合エンゲージメント感が増す。