天皇杯の度にその存在感を発揮するHonda FC。痛い目に遭ったJクラブは数知れず、特に2019年の第99回大会と2020年の第100回大会では2年連続で準々決勝に進出している。Jクラブを撃破していく姿はネット上で“静岡県最強”とまで呼ばれた。

一方の福井ユナイテッドは、福井県代表決定戦では坂井フェニックスを相手に6-0で大勝し、7年連続7度目の天皇杯本戦出場を決めた。北信越リーグ1部で開幕3連勝と実力を発揮しているが、JFL、さらにその先のJ入りを目指すのであれば、現在地を知る絶好の機会だ。

Honda FCの組織力と経験が福井を圧倒する可能性はある。しかし、福井がホームの利を活かし、守備を固めワンチャンスに賭ければ、勝利のチャンスもあるだろう。


これらの対戦カードはいずれも下部リーグを対象としているため、“ジャイアントキリング”とまでは言えないだろう。しかし格下のチームが勝利すれば、その勢いでJ1クラブを破るケースが多いことは過去の歴史が証明している。

また今大会初出場を決めた守山侍2000(滋賀県代表/関西リーグ1部)、FC BASARA HYOGO(兵庫県代表/関西リーグ1部)、レベニロッソNC(愛媛県代表/四国リーグ)、宮崎県代表決定戦でJ3テゲバジャーロ宮崎を破り「J.FC MIYAZAKI」から改名してからは初出場となるヴェロスクロノス都農(九州リーグ1部)、青森県代表決定戦で格上のJ3ヴァンラーレ八戸を破り本戦出場を決めたJFLラインメール青森など、その実力が謎に包まれたチームも参戦する。

こうしたチームがどういうサッカーを展開し、上位クラブに挑んでいくのかというマニアックな楽しみ方ができるのが天皇杯の魅力だ。