実験結果を反映させた「Ginza Sony Park」
オープンな公園として開放した後、新たに「Ginza Sony Park」が誕生した。新ビルは地上5階・地下4階建ての規模で、旧ソニービルよりは規模が小さい。そしてビル内はテナントがなく、オープンスペースが多い構造となっている。地下3階に自社運営のレストランがあるが、それ以外に店舗は入っておらず”空き”が多い。商業的に言えば一等地を有効活用できていないとも言えるが、敢えてそうしたようだ。
「Ginza Sony Parkのコンセプトは『街に開かれた施設』であり、その名の通り公園と位置づけています。公園には余白が大切です。余白があるから休憩もできるしアクティビティもできます。来るたびに変わり続ける公園でありたいからこそ、テナントはいらない、と考えました。また、3年間の実験を経て、来場者数は閉館前の旧ソニービルよりも街に開かれた公園の方が多いという結果が得られました。フロア数が多いことは必ずしも来場者数とは比例しないことが分かり、低層な建物にすることができたのです」(同)
実は旧ソニービルのコンセプトも「街に開かれた施設」。Ginza Sony Parkも、ソニー創業者のひとりである故・盛田昭夫氏の意向を継承していると永野社長は話す。地上1階部分も誰でも入れるオープンスペースとなっており、筆者が見た際は、アイスクリームを食べながらくつろぐカップルがベンチに座っていた。