インナーマッスルを動かすエクササイズは、肩の真下に肘をついておこなう「肘付きプランク」プランクなどがあります。

図1 肘付きプランク
また日常の簡単なセルフチェックや軽い運動を習慣化することでも、血流を改善し、慢性的な不調を軽減する効果は十分に期待できます。
一度、立ち姿を横から見た時に、腰が反り返って立ってしまっていないか、座っている時に、沈み込んでしまっていないか自分の姿をチェックしてみてください。姿勢の確認をするだけでも、不良姿勢を自覚しやすくなります。

図2 腰が反り返ってしまっているNG姿勢(立ち姿勢)

図3 沈みこんで座っているNG姿勢(座り姿勢)
腰に自然な湾曲ができているのが、正しい座り姿勢です。背当てにもたれたくなる人は、図4のように、クッション(赤の箇所)などを挟むのがおすすめです。

図4 正しい座り姿勢
「健康経営」は重要な成長戦略―企業ができる取り組み
姿勢改善は単なる健康管理の枠を超え、企業の成長戦略の一部と捉えられつつあります。痛みによるプレゼンティーズムが軽減すれば、業務効率が上がり、優秀な人材の離職防止や採用時の企業イメージ向上にも繋がります。
肩こりや腰痛による6兆円の経済損失は受け入れがたい現実ですが、アプローチを間違えなければ、生産性を高める大きなチャンスにもなります。
健康経営はコストではなく投資と考え、効果的な対策に取り組むことで、企業利益と従業員満足度を同時に高めることが期待できるでしょう。姿勢ケアを土台とした“健康投資”をきっかけに、これからの職場環境をよりよい方向へアップデートしてみてはいかがでしょうか。
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木城 拓也 理学療法士・整体 ピラティス事業「株式会社理学ボディ」代表取締役社長 2011年に理学療法士国家試験に合格後、都内のスポーツ整形外科クリニックに勤務し、プロスポーツ選手や箱根駅伝選手などの施術を担当。そこで培った臨床経験と専門的な知識をもとに、2017年「青山筋膜整体 理学BODY」1号店を表参道に開業。翌年に株式会社理学ボディを設立し、代表取締役社長に就任する。 「最高の技術で世界中を健康に」という理念のもと、“通わせない整体”を目指した理学療法士による整体と、理学療法士監修のピラティススタジオ「ルルト」を展開し海外進出も果たす。現在では日本と東南アジアを中心に140店舗以上を運営している。