まるでSFの世界のようだ――。NASAが火星の表面に開いた巨大な穴について、地下に広がる未知の世界、そしてそこに息づくかもしれない異星生命への「ポータル(入口)」である可能性を示唆し、大きな注目を集めている。
NASAは先日、「今日の天文写真(Astronomy Picture of the Day)」として、火星の地表にぽっかりと口を開けた巨大な穴の衝撃的な画像を公開した。そして、単に謎めいた画像を見せるだけでなく、この穴が生命を育んでいる可能性のある神秘的な「地下層」へと続いているのではないか、という驚くべき推測を展開したのだ。
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地下世界への扉? NASAが注目する理由
「このような穴は広大な地下洞窟へと続く入口である可能性があるため、特に興味深いのです」とNASAの研究者たちは語る。もし本当に地下洞窟が存在するならば、「これらの自然にできたトンネルは、火星の過酷な地表環境から比較的保護されており、火星の生命が存在する候補地として有望です」と付け加えている。
これは、これまで地球外生命の発見について慎重な姿勢を保ち、人々の期待を巧みにコントロールしてきたNASAにしては、かなり踏み込んだ発言と言えるだろう。これまでの探査では、主に氷に閉ざされた海を持つ近隣の惑星や衛星に潜む「微生物レベルの生命」に焦点が当てられてきた。しかし、今回の発表は、この穴の先に「広大な地下洞窟」が存在する可能性に言及し、この場所が将来の火星有人探査における主要なターゲットになるかもしれないと示唆している。