2019年5月24日、改正戸籍法が国会で成立し、法務省は約5年後の2024年を目途に新システムの運用開始を予定すると発表。法務省が管理する戸籍データ(副本)をネットワークで各自治体や他の行政機関と連携し、本人確認や身分関係確認の際に戸籍証明書の紙提出を省略できるようにすることとなった。
具体的には、総務省管轄のマイナンバーシステムと法務省管轄の戸籍データベースを結び付けることで、必要な戸籍情報を行政機関間で照会・共有できる仕組みを構築する計画でした。マイナンバー制度は国民一人ひとりに付与した12桁番号をキーに各機関が持つ個人情報をひも付ける制度であり、これと戸籍システムを連携させることであらゆる行政情報の横断的な確認が可能となるわけです。
この改正法(令和元年法律第17号)は準備期間を経て2024年3月1日に施行され、戸籍とマイナンバーの本格的な連携運用が開始された>
新システムの稼働により、従来は本籍地の役所でしか取れなかった戸籍謄本が他の市区町村でも発行可能になる「戸籍広域交付」が全国で実現したわけです。
マンナンバーがあれば戸籍謄本はいらなくなった
年金や健康保険、児童扶養手当の申請など親子関係や婚姻関係の確認が必要な行政手続では、マイナンバーを提示するだけで戸籍謄抄本の提出を省略できるようになりました。申請先の行政機関と法務省の新しい戸籍システムとの間で情報照会が行われ、個人の親族関係データ(例えば「この人の配偶者は誰か」「何年に誰と婚姻したか」「どの子どもと親子関係にあるか」等)をリアルタイムで確認できるからですね。
例えば、婚姻届を提出する際には従来夫婦それぞれの戸籍謄本を本籍地役場で取得して添付する必要がありましたが、新システムでは提出先の役所でオンライン照会により本籍地の戸籍情報を確認できるため戸籍謄本の添付が不要となったのです。同様に、養子縁組の届出やパスポート申請、年金や各種手当の給付手続でも、マイナンバーカードを提示すれば戸籍証明書の提出省略が可能となっています。