森友学園に関する財務省の決裁文書の改ざんに関与させられ自殺した近畿財務局の職員、赤木俊夫さんの妻の雅子さんが国に関連文書の開示を求め、財務省は今年4月4日、国有地の売却をめぐる学園側との交渉記録など、2000ページを超える文書を開示した。

しかし、開示された文書には欠落している番号が複数確認され、そのうち、2014年4月19日から5月11日までの期間は交渉記録などの存在が確認されておらず、この時期の記録とみられる4つの番号が連続して抜け落ちていた。

雅子さんの弁護団から、欠落の経緯について説明を求められた財務省は、5月9日、

「8年前に学園側との交渉記録を意図的に廃棄した過程で欠落文書の多くが廃棄された」

「欠落部分は政治家関係者に言及しているものが多くを占めていると推認される」

と説明したとのことだ。

財務省によると、学園側との交渉記録は、2017年に国会質問につながる材料を極力少なくすることを目的に意図的に廃棄され、その過程で欠落文書の多くが廃棄されたとのことだ。

本来、行政行為について国会での質問を受けた場合には、正しく保存された行政文書に基づき正しく説明する責任がある。ところが、財務省は、そのような「国民の代表の国会に対する義務」に反し、国会での質問を回避し、或いはその質問に答える負担を軽減するために、公文書を廃棄していた。行政を担う国家公務員の所為として到底許されることではない。

今回、「関連文書の欠落」が明らかになったのは、赤木雅子さんが「夫はなぜ死ななければならなかったのか。そこで何が起きていたのか、真相を知りたい」という思いで行ってきた活動によるものだ。

苦難の連続だった司法の場での雅子さんの国との戦いの途中から、私自身も、行政文書の開示請求訴訟の控訴審で、検察捜査の経験者としての意見書提出という形で関わった。

改めて、これまでの経過を振り返った上、今回明らかになったことの意味と、今後行うべきことを整理することとしたい。

瑞穂の國記念小學院 Wikipediaより