「人生で唯一の後悔は、シャンパンを十分に飲まなかったことだ」――イギリスの経済学者ジョン・メイナード・ケインズ(1883~1946年)の言葉が、現代の科学と交差する日が来るとは誰が予想しただろうか。実は最近の研究で、シャンパンや白ワインを適量飲むことが、突然の心停止を防ぐ一助になるかもしれないという結果が報告された。

白ワインやシャンパンが「心臓を守る」かもしれない

 研究を行ったのはカナダの研究チームで、イギリスの大規模健康データベース「UKバイオバンク」に登録された50万人以上の生活習慣や遺伝データを分析した。その結果、白ワインやシャンパンをほどよく飲んでいる人々は、突然の心停止を経験する確率が低い傾向にあることがわかった。

 これまでは心臓に良い酒と言えば赤ワインが定説だったが、ここにきて白系のワインが注目されているのは興味深い。さらに、ただの偶然ではないかという懸念に対しても、研究チームは遺伝的な背景を加味した分析を行い、それでもなお関連性が認められたという。