今、米ドルは世界中のほとんどの通貨に対して下落しています。もともと米ドルの諸外国通貨に対する価格がピークを打つのは、決まって米国経済が深刻な内臓疾患を抱えているときでしたから、今年の1月をピークに米ドルが下落に転じたこと自体に驚きはありません。

しかし、一時本格的な反騰に入った日本円が日銀の優柔不断な政策スタンスにも災いされて、米ドルと一緒にほとんどあらゆる通貨に対する価値を下げているのは問題です。

政府・日銀は日本経済は価格競争力以外になんのとりえもない弱小経済であるかのように円安政策を取りつづけ、その結果として輸入インフレによる国民全体の窮乏化の上に企業利益だけが毎年のように史上最高を更新するといういびつな経済にしてしまいました。

また、円を人為的に下げるための円売り米ドル買い介入を執拗におこなって、1国としては世界最大の米国債保有額を維持しています。

純粋に経済合理性から見ても、米国債がこれ以上値下がりせず、高い円で買っていた米国債保有分を売って円に換えれば利益が出るうちに、少しでも多額の米国債売りを敢行すべきです。

さらに、直近では「トランプ政権がイスラエルのネタニヤフ政権を見限った」という報道もありますが、基本的にワイロ漬けのアメリカの政治家たちが巨額献金をしてくれるイスラエルと本気で手を切るとは考えられません。

おそらく、最後まで民主・共和超党派で軍事・経済両面にわたるイスラエル支援を続け、財政破綻と共に軍事力も衰微していく道、すなわちイスラエルとの心中を選ぶでしょう。

アメリカがそこまで追いこまれてもアメリカに臣従していて、いいことはひとつもありません。たんにアメリカへの臣従を止めるだけではなく、イスラエルによるパレスチナ人ジェノサイドを止めるためにも、積極的に米国債売りを進めるべきです。

今、日本はひとりの兵士を出征させることもなく、1発の銃弾を撃つこともなく、世界に平和を取り戻すための大きな貢献ができるチャンスを迎えているのです。