台湾ではこれを会仔(ホエア)と呼んで、多くの人がこの金融に参加していた。知り合いになった国立政治大学の社会学教授も3つの会仔(ホエア)に加わっているとのことで、彼はそれを元手に外車であるトヨタ車(カリーナ)を購入していた。
地域福祉
さて、1990年に改正された「社会福祉事業法」では<地域等への配慮>が付加されて、「地域において、地域に即した、地域住民の理解と協力を得る」が打ち出された。それが「地域福祉」の重要性を全国の自治体に周知させ、「地域福祉市民活動計画」づくりが始まった。
私も『都市高齢社会と地域福祉』のおかげで、札幌市社会福祉協議会での策定委員長を務めることになり、札幌市の現場の方々との面識を得るようになった。
地域福祉の原則は、だれでも(普遍性)、いつでも(即時性)、どこでも(近隣性)に求められる。これを柱にして、「推進項目」として100をこえる事業を想定した『計画』を作った。
緊急通報システム
札幌市の「在宅一人暮らし高齢者」が増加し始めたことを受けて、とりわけ重視したのは「緊急通報システム」をいかに作り上げるかであった。時代もまたポケットベルなどの通信機の普及とともに緊急通報装置が生みだされて、非常用ボタン付きの電話やペンダントが格安で出回るようになった。
在宅で体調に異変が生じたらそのボタンを押すと、あらかじめ登録している3人の「緊急協力ボランティア」のうち誰かがが駆けつけてくれるという地域福祉システムの導入であった。
図4はその全体システムであるが、小樽市で一人暮らし高齢者のうち希望者に対して、NTTの協力で実証実験を行った。

図4 緊急通報システム図 (出典)金子、1995:97
高齢者自宅の固定電話機に受信機を付けたり、ハンズフリーやペンダント送信機を貸与して、使い方を説明する。通常はボタンを押せば自動的に「緊急通報センター」つながる。ここでは24時間の対応が可能であり、連絡があれば、救急車などの手配とともに、登録されている「緊急協力員」にも連絡される。