イタリアは「カルチョ(サッカー)の国」でありながら、陸上トラック付きのスタジアムが多い。イタリアW杯の決勝が行われたローマのスタディオ・オリンピコも陸上トラック付きだ。これには諸説あるが、「陸上トラックを付けると税制面の優遇措置がある」という理由が有力のようだ。
2000年、ユベントスがスタジアム所有者のトリノ市と交渉してデッレ・アルピの登記上の所有者となった上で、1億500万ユーロ(約170億円)を投資し、新スタジアム「ユベントス・スタジアム」建設に2009年に着工、2011年に開場した。収容人数は41,475人に減ったが、ショッピングモールなどを併設したことによって、以前の3倍の収益を上げることに成功した。
一方のトリノは、2006年トリノ冬季五輪のメイン会場だったスタジアムをサッカー専用スタジアムに改装し、「スタディオ・オリンピコ・グランデ・トリノ」と改称した上で、ホームとしている。

アーセナル・スタジアム(ハイベリー)(1913-2006)
所在地:イギリス、ロンドン(アーセナルが使用)
1913年から2006年までアーセナルのホームとして使用されてきたアーセナル・スタジアム(名称:ハイベリー)。収容人数は約38,000人で、2003/04シーズンのプレミアリーグ無敗優勝など、数々の成功を収めたスタジアムだったが、リーグの競争激化や欧州での成功を目指す中、スタジアムの近代化と収容人数の増加が求められるようになる。
1999年頃から新スタジアム建設の議論が本格化し、アーセナルはハイベリーからわずか500メートルほどしか離れていない場所の用地を取得し新スタジアムを建設することを決定した。
新スタジアム「エミレーツ・スタジアム」は2006年7月に開場。ネーミングライツはUAEの航空会社「エミレーツ」との15年契約によるものだ。建設費用は約3億9,000万ポンド(約700億円)にも上り、このため、クラブは厳しい財政運営を強いられた時期もあった。