そもそも「コスモス482」とは何か?

「コスモス482」は、1972年にカザフスタンのバイコヌール宇宙基地から打ち上げられた探査機だ。当初は「ベネラ9号」として金星探査を目的としていたが、発射直後にエンジントラブルで軌道を外れた。

 当時のソ連政府は失敗を隠すため、この探査機を“汎用的な名称”である「コスモス」に変更。その後、4つの破片に分裂し、一部はニュージーランド上空で大気圏に突入・消失した。

 ただし、チタン製で極めて頑丈に設計されたランディングモジュール1基だけが、いまだに地球の周囲を回り続けていたのだ。

 しかもこのモジュールは、「金星の過酷な環境に耐えられるよう設計された“超高耐久仕様”」であり、一般的な人工衛星よりもはるかに耐性が高いとされている。