実際、「粒子から流体へ」のブレイクスルーは他の難問にもヒントを与えるでしょう。
1900年にヒルベルトが掲げた壮大な夢(物理学の公理化)は非常に広範なものですが、その一角が今回崩れたことで「奇跡の年」と称賛する声も上がっています。
ある数学者グループはSNS上で「彼らは100年越しの問題を解決し、狭い意味でヒルベルト第6問題を完遂した」とまで評しています。
もしこの証明に間違いがないことが確認されれば、それは物理学と数学の歴史に残る一里塚となるでしょう。
そしてこの新たなアプローチによって、今後ほかの未解決問題にも次々と光が当てられていくことが期待されます。
全ての画像を見る
元論文
Hilbert’s sixth problem: derivation of fluid equations via Boltzmann’s kinetic theory
https://doi.org/10.48550/arXiv.2503.01800
ライター
川勝康弘: ナゾロジー副編集長。 大学で研究生活を送ること10年と少し。 小説家としての活動履歴あり。 専門は生物学ですが、量子力学・社会学・医学・薬学なども担当します。 日々の記事作成は可能な限り、一次資料たる論文を元にするよう心がけています。 夢は最新科学をまとめて小学生用に本にすること。
編集者
ナゾロジー 編集部