帝位も競売に!? ローマ帝国を丸ごと落札した男の末路

 歴史上、最もスケールが大きく、そして最も悲劇的な結末を迎えた奇妙なオークションと言えば、西暦193年のローマ帝国かもしれない。

 この年、新皇帝ペルティナクスは、腐敗で悪名高かった自身の護衛隊「プラエトリアニ(近衛兵団)」の改革に着手した。これに対する近衛兵団の答えは…皇帝の首を槍の先に突き刺して掲げることだった。そして彼らは、さらに悪辣で儲かる後継者選びの方法を思いつく。帝位そのものをオークションにかけることにしたのだ。

 入札に参加する勇気があったのは二人だけ。最終的に、政治家ディディウス・ユリアヌスが土壇場で提示した「兵士一人あたり2万5000セステルティウス(新しい馬が買えるほどの額)」という破格の条件で帝位を落札した。1万人以上いたとされる近衛兵全員への支払いである。

歴史に残る奇妙なオークション5選!レーガンの血、18万匹の猫のミイラ、ローマ帝国…
(画像=ディディウス・ユリアヌス 画像は「Wikipedia」より,『TOCANA』より 引用)

 意気揚々と皇帝になったユリアヌスは、劇場で遊び呆け、豪華な宴会を開いて帝国での日々を謳歌した。しかし、帝位が金で買われたというニュースはローマ中に広まり、激しい怒りを買った。属州総督や元老院議員たちは彼に対する陰謀を企て、市民は抗議の声を上げた。ローマの歴史家カッシウス・ディオはその結末を記録している。

「ユリアヌスは宮殿でくつろいでいるところを殺害された。彼はただ『私が何をしたというのだ?誰を殺したというのだ?』と言う時間しかなかった」。不運な皇帝の治世は、わずか2ヶ月余りで終わった。まさに、ローマの格言「買主よ警戒せよ(caveat emptor)」を地で行く結末だったと言えるだろう。

 歴史は繰り返す、とは言うものの、これほどまでに奇妙で、時には悲劇的なオークションが再び開かれないことを願うばかりである。

提供元・TOCANA

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