結果、意外な事実が浮かび上がってきました。

目次

  • 1:ストーカーと遺伝子
  • 2:愛のホルモンはストーカー遺伝子になりえる
  • 3:「戦士の遺伝子」がストーカー事件を重大化させ得る
  • 4:結び『ストーカー遺伝子』は存在するのか?

1:ストーカーと遺伝子

1:ストーカーと遺伝子
1:ストーカーと遺伝子 / Credit:Canva

恋は素晴らしいものです。

脳内にドーパミンがあふれ、「この世で一番幸せ!」と舞い上がるあの感じ――Queenが歌った「Crazy Little Thing Called Love」(愛という名の狂気)、まさにその通りでしょう。

実際、恋の初期段階では相手の写真を見るだけで脳の報酬系が活性化し、快感ホルモンのドーパミンがどっと放出されます。

胸が高鳴り食事も喉を通らなくなるほど夢中になるこの現象に、古代ギリシャ人は「恋は一種の狂気である」と表現しました。

恋愛の魔法は私たちを陶酔させ、生きる活力を与えてくれます。

しかし、その魔法が強すぎるとき、人は執着の闇に足を踏み入れてしまうことがあります。

片想いや失恋の痛みから立ち直れず、相手のSNSを何時間もチェックしたり、行動を逐一知りたくなったり…そんな経験はありませんか?

心理学的には、行き過ぎた恋の執着は「偏執的恋愛」と呼ばれ、病的なケースでは「恋愛依存症」や「ストーカー行為」として問題視されます。

例えば「執着性恋愛障害(OLD:Obsessive Love Disorder)」という提唱概念では、特定の相手を「自分だけのものにしたい、守りたい」という抑えがたい欲求に取り憑かれ、拒絶されても諦められなくなる状態が説明されています。

こうした状態では「一瞬でも離れていられない」「相手のすべてを把握していないと不安」といった強烈な症状が現れ、場合によっては暴力沙汰に及ぶ危険すらはらんでいます。

ロマンチックな愛情と病的な執着の境界線は紙一重です。

多くの場合、恋する人は多少なりとも相手に執着しますが、それ自体は悪いことではありません。