脳は起きているのに、一時的に何もない空間へ滑り込んでいるのです。

それは決して「何でもない」わけではありません。

この空白は、にぎやかな思考の街並みだけでなく、その合間にある静かな未知の領域も心の風景の一部だということを示してくれます。

そこに光を当てることで、意識のスペクトラムをより深く理解する手がかりが得られるでしょう。

それは、もっとも鮮やかに彩られた瞬間から、もっとも色のない状態に至るまでを含む、意識の全体像に近づく道筋なのです。

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元論文

Where is my mind? A neurocognitive investigation of mind blanking
https://doi.org/10.1016/j.tics.2025.02.002

ライター

川勝康弘: ナゾロジー副編集長。 大学で研究生活を送ること10年と少し。 小説家としての活動履歴あり。 専門は生物学ですが、量子力学・社会学・医学・薬学なども担当します。 日々の記事作成は可能な限り、一次資料たる論文を元にするよう心がけています。 夢は最新科学をまとめて小学生用に本にすること。

編集者

ナゾロジー 編集部