私たちの頭が実際にどれほど頻繁に真っ白になるのか、まず最初に判明したのは、その回数の多さでした。

平均すると、人々は起きている時間の約5~20%をマインド・ブランク状態で過ごしていることがわかりました。

言い換えれば、私たちが1時間起きているあいだに、数分ほどは何も考えていない可能性があるのです。

(これは典型的なマインド・ワンダリングの頻度のおよそ3分の1ですが、それでも私たちの心の活動においてはかなりの割合を占めます。)

興味深いことに、マインド・ブランキングの頻度は個人によって大きく異なり、めったに起こらない人もいれば、ずっと多く体験する人もいます。

たとえば注意欠陥・多動性障害(ADHD)の子どもや成人は、神経学的に定型発達の人々よりもはるかに頻繁にマインド・ブランクを報告する傾向があります。

一方で、まったく頭が真っ白にならないと主張する人も少数ながら存在します。

「マインド・ブランキング」とは何を指すかも人によって違いがあり、それが注意の途切れなのか、記憶が抜け落ちた瞬間なのか、あるいは頭の中の内なる声が突然止まることなのか、さまざまな解釈があります。

しかしいずれの説明であっても、中心的な特徴は同じで、それは「思考内容が何もない」という主観的な感覚です。

では頭が真っ白になるのはいつ起こりやすいのでしょうか?

研究によると、脳の覚醒度が限界近くに追い込まれるような状況で起こりやすいことがわかっています。

マインド・ブランクは、たとえば長く退屈な作業の終盤(長い試験の最後の数問など)や、睡眠不足や激しい運動のあとなど、疲労を感じるタイミングによく起きます。

つまり、脳のエネルギーが不足していたり、極度に疲労していると、頭が真っ白になる状態に陥りやすいのです。

(実際、「頭が真っ白になる(mind going blank)」は不安障害のDSM-5での症状例の一つとしても言及されており、脳卒中、てんかん、外傷性脳損傷、あるいはまれなクライン・レビン症候群などでもしばしば見られる症状です。)