単なる経歴詐称ではない、国家ぐるみの資金調達スキーム

 これは個人の職探しの話ではない。偽の履歴書や身元詐称は、北朝鮮という国家が組織的に行っている大規模なサイバー攻撃と資金調達活動の一部なのだ。アメリカ政府機関は、この北朝鮮IT工作員による詐欺行為が、2018年以降、年間数億ドルもの収益を上げていると推計している。その資金は金正恩政権の兵器開発プログラム、サイバー攻撃から弾道ミサイル開発まで、あらゆる軍事活動の資金源となっている。

 CrowdStrike社が「Famous Chollima」として追跡するこのグループの活動は拡大しており、AI技術の進化が彼らの戦略をさらに強化していると専門家は警告する。