憧れの推しは誰にもいるものですが、ファンの情熱が一線を越えるとストーカーになってしまいます。
近年ではファンによるアイドルのストーカー事件なども増えており、最悪の場合は傷害や殺人に発展する深刻な社会問題です。
では「ファン」と「ストーカー」とは社会心理学的にどこで区別できるのでしょうか?
米アイダホ州立大学(ISU)の研究チームは2023年に、約600名の大学生を対象としたアンケート調査を実施。
その結果、ストーカーになりやすい人は日常に退屈しがちで、推しに対し個人的な考えを頻繁に抱く傾向が強いことが分かりました。
反対に、推しのパフォーマンス部分に純粋に惹かれている人はストーカー行為に及ぶ可能性が低かったとのことです。
研究の詳細は2023年3月1日付で学術誌『PLoS ONE』に掲載されています。
目次
- 「ファン」と「ストーカー」の違いはどこにある?
- ストーカーになりやすい3つの要因が判明!
- ファンは「エンターテイナーとしての能力」を純粋に愛する
「ファン」と「ストーカー」の違いはどこにある?
ストーカーとは、特定の人につきまとい、脅迫したり、何らかの危害を加える人物と定義されます。
ストーカーによる被害は多くの人が想定しているよりもずっと一般的で、アメリカでは年間に約170万人がストーカー被害を受けているといいます。
中でも有名人は狂信的なファンによるストーカー行為にさらされやすく、それが行き過ぎると傷害や殺人事件につながりかねません。
(1980年に起きたジョン・レノンの殺害はその最たる例とされています)
そこで研究チームは2023年に、熱心なファンとストーカーの違いがどこにあるかを探るべく、アメリカの大学生596人を対象としたアンケート調査を実施することにしました。
アンケートのいくつかは先行研究で開発されたもので、有名人に対する人々の態度や行動を測定するものです。