以上の観点で4クラブを比較し、久保にとって最適な移籍先を評価すると、ベティス、ビジャレアル、セルタ、オサスナの順となる。ベティスであれば、右ウイングのスタメンを確保できる可能性が高い上、クラブの“格”の面でもソシエダと遜色ない。
なおかつ、久保のプレースタイルが、ベティコと呼ばれる情熱的なサポーターに歓迎されることは請け合いで、本拠地のエスタディオ・ベニート・ビジャマリンを熱狂させることだろう。クラブは日本市場を開拓しようと3月にクラブ幹部が来日し、東京ヴェルディのクラブハウス視察や、ファンとの交流イベント「ベティス・ウィーク」を開催した。その延長線上で久保獲得に動く可能性もあるのではないか。
スペインにおいて、バルセロナ、レアル・マドリード、アトレティコ・マドリードの3強以外のクラブは「オトラ・リーガ(別のリーグ)」と呼ばれるほど、その格差は大きい。スペインでプレーする以上、3強を目指すのは当然だが、その結果がベンチウォーマーでは意味が無い。日本のファンも、久保がビッグクラブのベンチに座る姿よりも、レギュラーとして存在感を発揮している姿が見たいはずだ。
さらに言えば、ソシエダは来2025/26シーズンの新監督に今季Bチームを率いていたセルヒオ・フランシスコ氏の内部昇格を発表した(4月26日)。事実上の“アルグアシル監督路線の継承”を選択したとあって、久保にとっては急転直下の「ソシエダ残留」の目も出てきたと言えるだろう。