そのビジャレアルに迫るのが、かつて元日本代表MF乾貴士(現清水エスパルス)が2018シーズンに加入したもののレギュラーになれず、たった半年でデポルティーボ・アラベスへの期限付き移籍を余儀なくされたクラブ、レアル・ベティスだ。
ベティスの右ウイングには、FWエセキエル・アビラ、FWアイトール・ルイバル、MFセルジ・アルティミラと多士済々な選手が揃い、トップ下には元スペイン代表MFイスコが君臨している。しかしながら、いずれも絶対的なレギュラーとは言い切れない。
そして、久保はテクニシャン好みの指揮官、マヌエル・ペジェグリーニ監督が好きそうなタイプで、監督に就任した2020年にも獲得に興味を示していたことからチャンスはありそうだ。仮に逆転でCL出場となれば2004/05シーズン以来とあって、高額移籍金を支払ってでも欲しいタレントだろう。攻撃的ながらも守備意識も高く、ハイプレス戦術にも対応可能であることで、久保の創造性が生きる環境が揃っていると言えるだろう。
セルタ・デ・ビーゴ
セルタ・デ・ビーゴの右ウイングにはMFイケル・ロサーダやMFアルフォンソ・ゴンサレスが起用されているが、いずれも確固たる地位を築けていない。久保の実績を考慮すれば、即レギュラーも可能だろう。
しかし、いくら欧州カップ戦に出場できると言っても、セルタはガリシアの地方クラブに過ぎない。ソシエダよりも明らかに格下であり、久保のキャリアにとって後退となるリスクもある。出場機会を得られるという面で魅力的な選択肢だが、将来的なビッグクラブ移籍を目指すなら回り道となってしまいかねない。
オサスナ
ソシエダと同じ、バスク地方(州はバスク州の隣のナバーラ州)のパンプローナを本拠とするオサスナの右ウイングにはMFルーベン・ガルシアやMFジョン・モンカヨラが起用されているが、いずれも攻撃面での迫力には欠ける。そもそも、ビセンテ・モレノ監督は【5-4-1】のフォーメーションを用いる守備的な戦術で、そこに久保が加わったところで、果たして良さが生きるのかという疑問は残る。キャリアアップという観点からも外れるだろう。