また、バイエルンの右サイドでは、加入即レギュラーとして活躍しているフランス代表MFミカエル・オリーズやドイツ代表MFセルジュ・ニャブリらとの競争が予想され、ステップアップとしては魅力的に映るが、ポジション争いの面では劣勢になる可能性がある。


久保建英 写真:Getty Images

スペイン3強

バルセロナ

ではスペイン3強はどうか。ここに来て、バルセロナのスペイン代表DFエリック・ガルシアとのトレードが現地メディアで報道された。久保は「ラ・マシア」と呼ばれるバルセロナの下部組織出身で、この移籍が実現すれば実に10年ぶりの“帰還”となる。

しかし久保の定位置ともいえる右ウイングには17歳の怪童、スペイン代表FWラミン・ヤマルが君臨しており、久保が彼を押しのけてレギュラーを奪うのは困難だろう。さらにヤマルの控えには背番号10を背負うFWアンス・ファティらも控えており、いくらバルセロナとはいえ「控えの控え」という3番手の扱いを拒む可能性は高い。

しかもバルセロナは財政難に直面しており、久保の移籍金の支払いや、保有権を半分持つレアル・マドリードへ移籍金の50%を支払う条項も壁となるだろう。ハンジ・フリック監督が久保を左ウイングやインサイドハーフで起用するプランを持っているとしても、今度はスペイン代表MFペドリやガビらとの熾烈な競争が待っている。

レアル・マドリード

レアル・マドリードは久保の保有権の半分を持っているため、移籍金が比較的安価(約3,000万ユーロ=約48億円)で済むメリットがある。しかしレアル・マドリードには、同じポジションにブラジル代表FWロドリゴがいる。ロドリゴにもチェルシーへの移籍話が浮上し、カルロ・アンチェロッティ監督の退任も濃厚とあってチャンスがないわけではないが、事態は流動的だ。第一、久保自身も昨年9月にレアルについて「いい思い出はない」と発言し、フロレンティーノ・ペレス会長を失望させている。

アトレティコ・マドリード