いかにして、テストで1点でも多く点を取るか。どうやって成績を上げるか。

学生時代、悩んでいた人も多いでしょう。

東京大学社会科学研究所と、株式会社ベネッセコーポレーションが共同で行った2023年の研究プロジェクトでは、「学習方法の理解」(自分に合った、上手な勉強のしかたを見つけること)と「学習意欲」、そして「成績」の関係について、興味深い分析結果が報告されました。

この共同研究プロジェクトは、「子どもの生活と学び」の実態を明らかにするために立ち上げられ、2015年以降、8年間にわたって複数の調査を実施し、同一の親子(小学1年生から高校3年生)の意識・行動の変化を明らかにしてきています。

研究では、子どもたちの学習意欲が低下していることが示されており、この傾向は、2023年4月12日に発表された調査結果でも同様だったようです。

なぜ子どもたちの勉強意欲は低下しているのでしょうか? そこには意外な理由が隠れているようです。

目次

  • 「上手な勉強のしかたがわからない」子どもの増加について
  • 学習方法の理解に至るためには、どんなことをすればいいの?

「上手な勉強のしかたがわからない」子どもの増加について

東京大学社会科学研究所と株式会社ベネッセコーポレーションが2015年以降、8年間にわたって行った調査のうち、2019~2022年におけるものの結果によると、「上手な勉強のしかたがわからない」子どもは特に増加しており、2022年には約7割に。

学校段階別に見ると、段階があがるほどその割合が高い傾向にあります。つまり、学習方法がわからないという悩みを抱えているのは、高校生が最も多いようです。

しかし、2019年〜22年にかけての増加幅を学校段階別で比較すると、段階が低いほど増加が大きい傾向が見られます。つまり、近年「勉強のしかたがわからない」との悩みが最も増えたのは小学生である、ということです。

2016年~2022年における、「上手な勉強のしかたがわからない」子どもの増加を示すグラフ
2016年~2022年における、「上手な勉強のしかたがわからない」子どもの増加を示すグラフ / Credit: 東京大学社会科学研究所・ベネッセ教育総合研究所 -「上手な勉強のしかたがわからない」という悩みが約 7 割に増加 ~ “学習方法の理解”は学習意欲と成績の向上に効果があることが明らかに~(2023)