世論調査機関Pew Research Centre が政権発足100日に合わせて行った世論調査をみるとトランプ大統領の仕事ぶり、関税引き上げ、連邦政府機関の縮小いずれも不支持が支持を上回っている(図2)。

図2 トランプ政権に対する評価 出典:Pew Research Centre
政策分野別にみると移民政策への好感度が高い一方、政権の統治方法や関税・貿易に対する拒否反応が強い(図3)。

図3 最も好感を持てる(好感の持てない)政策 出典:Pew Research Centre
4月30日に発表されたGDPの第1四半期が年率換算で前年比▲0.3%となったのも、大統領選において移民、経済でポイントを稼いだトランプ大統領にとっては痛手となろう。
トランプ政権が重視するエネルギー問題は「その他経済問題」に分類される。トランプ政権が強調するようにガソリン価格はここ数年来で最も下がっている(図4)。

図4 2022-2025のガソリン価格
しかし、これはトランプ大統領が推進するDrill Baby Drill によって国内エネルギー生産が増大し価格が下がったというものではない。むしろトランプ政権の施策は米国の国内エネルギー生産増大にマイナスに働いているとみるほうが当たっている。
トランプ関税が世界経済の減速をもたらすとの懸念から、WTIの先物価格は月間で13ドルも低下した。この下落幅は2021年11月のCOVID変異株拡大の時以来である。その結果、S&P 500 エネルギー指数は、関税措置を発表して以来、15%以上急落しており、特にシェールフラッキング業者と深海掘削業者を含むS&P オイルフィールド・サービス指数は、2020年半ばのパンデミック期以来の最大の下落を記録することとなった。
石油会社はトランプ大統領のキャンペーンを強く支持し、規制緩和や石油・ガス掘削のコスト削減・簡素化方針を歓迎してきたが、最近はトランプ大統領の貿易政策に対し深刻な懸念を表明しはじめている。