中世では、呪術や錬金術の道具として、竜血樹が使われていた記録もあります。

「高価で、特殊な用途」で使用された歴史を持つ竜血ですが、現代の竜血樹は日本でも種子、苗、幼木が簡単に買える観葉植物となっています。

ほぼ水やりは必要がなく、生命力も強く、成長も遅いため、鉢植えで育てるのが非常に簡単です。

また、種、挿し木、伏せ枝など増やし方の種類も多く簡単で、人気の観葉植物となっています。ぜひ、お家に1本の竜血樹を迎えるのはいかがでしょうか?

環境問題と竜血樹

温暖化の影響で枯れる樹木
温暖化の影響で枯れる樹木 / Credit : Freerange

近年の地球温暖化の影響で、竜血樹を取り巻く生態系も変化しています。

海面の温度が上昇したことにより、以前より高地で霧ができるようになりました。つまり、竜血樹の近くで発生していた霧が少なくなってしまったのです。

この影響により、竜血樹が枯れ始めています。

地元の人々は「一度切ったら、数年間は樹を休ませる」などの対策を取っていますが、その程度の対策では太刀打ちできなくなっています。

原産国のソコトラ島の人々は、竜血樹の取引で生計を立てている人もいますが、年々生活が苦しくなっているようです。

竜血樹は非常に特徴的で興味深い木ですが、将来的にはその姿が消え本当に伝説の木になってしまうかもしれません。

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参考文献

カナリア諸島の竜血樹, 京都大学 経営管理大学院 川北英隆HP
http://www.hidetaka-kawakita.com/blog/2015/06/post-1929.html

竜血(麒麟血), 結晶美術館
https://sites.google.com/site/fluordoublet/%E3%82%88%E3%81%86%E3%81%93%E3%81%9D%E7%B5%90%E6%99%B6%E7%BE%8E%E8%A1%93%E9%A4%A8%E3%81%B8/%E8%89%B2%E5%BD%A9%E3%81%AE%E5%8D%9A%E7%89%A9%E8%AA%8C/%E7%AB%9C%E8%A1%80%E9%BA%92%E9%BA%9F%E8%A1%80