日本がアメリカに譲歩する項目にどんなものが上がっているのかが気になります。農産物はコメと共に中国に売れなくなった大豆も候補に挙がっているされます。自動車の非関税障壁は「アメリカの努力が足りないのでしょう」なのですが、どう転がってもアメ車が日本でバンバン売れることはまずないのでここは日本としては譲れる点かもしれません。エネルギー輸入の拡大ですが、これは違和感があります。特にLNG(液化天然ガス)は東海岸が基地でそこからパナマ運河経由で運ぶとなると膨大なコストと時間がかかります。一方、カナダBC州の北部で三菱商事などが長年努力し間もなく稼働するLNG基地からだと日本までの輸送は極めて短く日本には取引国の多様化を含め有利になるはずです。この交渉はもっと戦略的に進めるべきでいくら石破氏の腹心の赤沢氏とはいえ、ちょっと放り投げすぎの気もします。

精神的病と暴発的行動

大阪で精神的に病む男が運転するクルマが小学生を次々巻き添えにした報道には驚きましたが、男は車を蛇行させ、ゆっくり子供にぶつけていくような執拗さと異常さがありました。一方、1週間ほど前、バンクーバーでフィリピンのコミュニティ祭りが開催されているところに精神疾患を抱え前科がある男が爆走し、11名が死亡し、多数のけが人が出た事故もありました。これらは精神病を抱える人が車を凶器として自己抑制ができない状態で使用しているわけであまりにも恐ろしく、精神疾患者がどこにいるかわからない我々にとって危険が多すぎる社会を感じます。

日本の統計を見ると2020年の精神疾患者数は615万人です。推移をみると実は2020年から厚労省が統計の取り方を変更したためにこの年から急増しており、過去の推移との比較ができません。ただ、2002年から2017年までの15年間では258万人から419万人と比率にして64%増、また統計の取り方を変えただけで5割近く増えたということは潜在的精神疾患者はかなりいるということでしょう。