古写真が示す「入口」の痕跡

 興味深いことに、スフィンクスを捉えた極めて古い、貴重な写真の中には、この謎多きモニュメントへの入口らしきものが写っているものが存在するのだ。例えば、19世紀初頭に熱気球から撮影されたとされる修復前のスフィンクスの写真には、頭頂部に大きな「穴」が確認できる。

ギザのスフィンクスに隠された“未知の入口”?驚きの古写真と封印された地下の謎
(画像=画像は「The Ancient Code」より,『TOCANA』より 引用)

 これらの「入口」とされる箇所は、スフィンクスの地下深くに広がる広大な部屋へと続く通路に繋がっているのではないかと考えられてきた。それらの部屋こそが、「記録の広間」のような、人類の「未知の歴史」を解き明かす古代文書で満たされた地下図書館なのではないか、と。

 グラハム・ハンコック氏とロバート・ボーヴァル氏は、著書『Message of the Sphinx(邦題:神々の指紋)』の中で、エジプト政府とアメリカの考古学者たちが、スフィンクス周辺や地下での調査を妨害しており、地下空洞の特定やその内部にあるものを発見することを阻止している、と主張している。

 いくつかの写真は、スフィンクスの地下に未踏の部屋へと続く縦穴や通路が存在する可能性を強く示唆している。1733年にスフィンクスを探検したチャールズ・トンプソンも、入口と「背中の上部の穴」について言及している。また、スフィンクスの後部腰部の上には、かつて4フィート×2フィート(約1.2m×0.6m)の長方形の入口が存在したという記録文書や、多くの旅行者の報告も残されている。この縦穴とその先の埋葬室は、後世(ファラオ時代)に追葬のために作られたものだと考えられているが、現在は塞がれているようだ。