「ショイヒツァーの竜」- 古文書に記された遭遇記録
タッツェルブルムに関する古い記録として注目されるのが、17世紀のスイスで収集された「竜」の目撃談だ。これらは後に「ショイヒツァーの竜」とも呼ばれるようになり、その中には明らかにタッツェルブルムの特徴を持つものが含まれている。
例えば、文字通り「猫頭の蛇」として図解されている記録がある。目撃者によれば体長は約2メートルあり、胴体は黒から灰色にかけた色だったという。近隣住民は家畜の乳が何者かに吸われる被害に悩まされていたが、この怪物が退治された後に被害が収まったとされている。また、猫のような頭を持ち、四足で、背中にはイノシシのような剛毛が生えた「竜」の記録も存在する。
他にも、巨大な頭と前脚だけを持つ竜(カモール山の竜)に遭遇し、その息を浴びて体調を崩したという記録など、爬虫類的な外見を持つ「竜」の目撃談も多い。これらの古い記録が、タッツェルブルム伝説の形成に影響を与えた可能性は高い。

(画像=カモール山の竜 画像は「Wikipedia」より,『TOCANA』より 引用)