・あっせんの申請 労働局が中立的な立場で、被害者と会社の間に入り、話し合いによる解決を目指します。裁判ほどの拘束力はありませんが、柔軟な解決が期待できます。

・労働審判や裁判の利用 パワハラの被害が深刻で、会社が適切な対応を取らない場合には、労働審判や民事裁判を通じて損害賠償請求や慰謝料請求を行うことが可能です。弁護士に相談し、法的手段を検討します。

・専門家への相談 弁護士や社会保険労務士に相談し、法的なアドバイスを受けることで、適切な対応策を検討できます。特に、証拠の整理や法的手続きの準備に役立ちます。

証拠の収集などの事前準備が相談成功のカギ

上に書いたように、パワハラ被害に対処するために利用できる窓口は複数あります。

今回は監督署と総合労働相談コーナーの役割についてお伝えしましたが、各機関の役割と限界を理解し、適切な相談先を選びましょう。

また、相談を成功させるためには、証拠の収集などの事前準備が不可欠です。記録をしっかり残し、冷静に対応することで、問題解決への道が開けます。最終的には、あなた自身が納得できる形で解決を目指すことが重要です。

李 怜香 社会保険労務士・産業カウンセラー・ハラスメント防止コンサルタント 岐阜県生まれ。早稲田大学卒業。1999年、宇都宮市にて李社会保険労務士事務所(現 メンタルサポートろうむ)を開業。2011年、産業カウンセラー登録。2012年、ハラスメント防止コンサルタント認定、(公財)21世紀職業財団ハラスメント防止研修客員講師に就任。2019年、健康経営エキスパートアドバイザー認定(第1期)。 官公庁から大手企業、教育機関まで幅広い分野で研修実績がある、ハラスメント対策のエキスパート。ハラスメント外部相談窓口の相談対応や、事案解決支援の経験を活かした実践的な指導には定評があり、研修受講者からの満足度は90%以上。法的知識とカウンセリングスキルを組み合わせた独自のアプローチで、職場のメンタルヘルスやハラスメント防止の分野で、企業をサポートしている。