構成元素は水素と酸素だけです。

なのにどうして、より激しく燃えたり、超新星爆発を起こしたり、ブラックホールになってしまうのでしょうか?

太陽はロウソクと違い核融合で燃えている

核融合で発するエネルギーが太陽を燃やしています
核融合で発するエネルギーが太陽を燃やしています / Credit:NIFS

なぜ太陽を冷やすための巨大水風船が、酷い結果をもたらすのか?

その第1の理由が、そもそも太陽はロウソクとは違って、酸素を使って燃えているわけではないからです。

太陽は巨大な重力によって中心部で圧縮された水素原子が融合してヘリウムになったときに発生する「核融合」のエネルギーで燃えています。

つまり太陽を燃やしている原動力が何かというと、それは太陽自身の重さなのです。

太陽と同じサイズの巨大水風船が命中すれば、瞬間的な冷却が起こるのは確かです。

しかし太陽に降り注いだ水は太陽の質量を増す結果になり、中心部分の圧力はより増強されます。

さらに水の組成には核融合の元となる水素原子が含まれているため、実質的に燃料が追加されたことになります。

そのため一時的に太陽の熱を下げることができても中心部の圧力が増強されるため、やがて核融合が勢いを取り戻し、より激しく燃え盛ります。

ただコレでもまだ穏やかなほうです。

大質量で進化の終わった恒星では、(a)タマネギのような層状の原子の殻が融合を起こし、ニッケル-鉄の核を形成する。(b)チャンドラセカール質量に達し、崩壊を始める。核の内部は圧縮され、中性子になる。(c)落ち込んだ物質がバウンドする。(d)外側に向かう衝撃波面(赤色)となる。(e)衝撃波は収まり始めるが、ニュートリノ相互作用により、再び開始する。(f)周りの物質は吹き飛ばされ、縮退残骸が残る。
大質量で進化の終わった恒星では、(a)タマネギのような層状の原子の殻が融合を起こし、ニッケル-鉄の核を形成する。(b)チャンドラセカール質量に達し、崩壊を始める。核の内部は圧縮され、中性子になる。(c)落ち込んだ物質がバウンドする。(d)外側に向かう衝撃波面(赤色)となる。(e)衝撃波は収まり始めるが、ニュートリノ相互作用により、再び開始する。(f)周りの物質は吹き飛ばされ、縮退残骸が残る。 / Credit:wikipedia

太陽は常に自分の重さで潰れそうな状態を、核融合のエネルギーによって支えています。

質量増加が急すぎる場合、太陽は自らの体重を支えることができなくなり、爆縮と呼ばれる現象を起こしてしまいます。