もし同じような歴史を、クリミア、あるいはウクライナが辿ることができていたら、今のロシア・ウクライナ戦争の悲劇はなかった。ただし、ウクライナは、ポーランドやチェコスロバキアではない。そして相当な年月をかけても、ウクライナが、もう一つのポーランドやチェコスロバキアのような国になる可能性は、もはや非常に乏しい。
今必要なのは、精神論ではなく、こうした現実を冷静に見据えたうえで、安定的な地域安全保障のシステムを構築することだ。それこそがミュンヘン会談の教訓である。
■
国際情勢分析を『The Letter』を通じてニュースレター形式で配信しています。
「篠田英朗国際情勢分析チャンネル」(ニコニコチャンネルプラス)で、月2回の頻度で、国際情勢の分析を行っています。