売上5倍、レビュー数増加の効果

 代表的な試供品サンプリング手法には、商業施設内での配布のほか、街中で配る方法などがある。配達時のサンプリングでは個数が限られそうだが、メーカーにはどういったメリットがあるのだろうか。

「これまでサンプリングでは試供品を渡すだけでメーカー側は試供品受取り後の購買動向などを追跡することができません。これではサンプリングを実施するメーカー側はサンプリングに対する費用対効果を評価できません。試供品を受け取った人が、実際に購買につながったかなどの費用対効果分析、購買分析、試供品を受け取った人が誰なの?などマーケティングに必要な施策結果の評価ができません。一方で、弊社の『試供品手渡しサンプリング』ではそれらの課題全てを解決し精緻な費用対効果分析、購買行動などのデータ分析が可能です」(同)

 Green Beansは注文から配送をエンドトゥエンドで対応している。つまり顧客ID単位で注文から配送までを管理している。試供品手渡しサンプリングはお客さま宅に配送する際に配送員(デイバリークルー)が手渡しで試供品を渡すため、顧客ID単位で誰に試供品を渡したのか、その後実購買に至ったのか顧客ID単位で分析が可能なのだ。顧客ID単位で誰が試供品をサンプリング後にGreen Beans内で同じ商品を注文したかどうか、つまり、試供品を気に入ったかどうか把握できる仕組みになっている。どの属性に商品が気に入られたか、メーカーが把握できるという訳だ。また、試供品にはQRコードが同封してあり、消費者はQRコードを通じて専用サイトに入り、試供品の評価を入力できる仕様となっている。入力された評価内容はメーカーに共有される。

 つまり、手渡し自体はアナログだが、デジタルを活用した広告サービスなのである。サンプリング後にGreen Beans内での売上が5倍に伸びたり、レビュー数が増えたりする効果も見られたという。