「ディフェンスの左腕がオフェンスの肩に乗っていますけど、倒れるほどの影響があったのか。コンタクトプレーが許容されているサッカーという競技において、レフェリーがあの位置からその事象を見て、ファウルをとらないという判定をした。この判断は十分にアクセプトできる(受け入れられる)と考えています」

「もちろん、程度の問題はあります。引っ張り合いが強かったり、全くボールにプレーできない状況で(相手選手を)真後ろから引っ張っているということであれば、話は違います。そういうところをレフェリーが1つずつ見て、ファウルとするかどうかを判断する。我々(審判委員会)としては、この事象をノーファウルとしたことは十分にアクセプトできます。もしこれをファウルとした場合は、DOGSOのシチュエーションですので(三浦に)レッドカードという判断をしなければなりません」

JFA審判 写真:Getty Images

筆者が感じた競技規則との矛盾

本ブリーフィングで筆者が感じたのは、ホールディングの反則に関する佐藤氏の解説と、現行のサッカー競技規則との矛盾だ。

競技規則の第12条では、ファウル判定の際にその行為の不用意さ、無謀さ、過剰な力の有無が主審によって考慮されるものと、原則としてこれらが考慮されないものの2つに分類されている。競技規則の文言は下記の通りだ。

サッカー競技規則第12条 ファウルと不正行為

競技者が次の反則のいずれかを相手競技者に対して不用意に、無謀に、または過剰な力で行ったと主審が判断した場合、直接フリーキックが与えられる。

  • チャージする。
  • 飛びかかる。
  • ける、またはけろうとする。
  • 押す。
  • 打つ、または打とうとする(頭突きを含む)。
  • タックルする、またはチャレンジする。
  • つまずかせる、またはつまずかせようとする。