
日本サッカー協会(JFA)審判委員会は4月23日、東京都文京区のJFAハウスにてレフェリーブリーフィングを開催。4月6日に行われた明治安田J1リーグ第9節町田ゼルビアvs川崎フロンターレにおいて、町田のDF林幸多郎と川崎FのDF三浦颯太が交錯した場面について見解を発表した。
この試合の後半18分に、町田が速攻を繰り出す。味方FW西村拓真のパスを受けた林が相手最終ライン背後へ抜け出したところ、三浦が林の肩に手をかける。これにより林は敵陣ペナルティエリア手前で転倒したが、木村博之主審の笛は鳴らなかった。
林は相手GKと1対1の状況で倒されているため、ファウルと判定されれば決定的な得点機会の阻止(※DOGSO)に当てはまり、三浦にレッドカードが提示されるはずのこの場面。ここでは本ブリーフィングに登壇した元国際審判員の佐藤隆治氏(JFA審判マネジャーJリーグ担当統括)の見解や、相手選手を押さえるホールディングの反則の判定基準を紹介する。
(※)『Denying an Obvious Goal Scoring Opportunity』の略。

「相手選手にどれほど影響しているのかを判断」
佐藤氏は当該シーンの映像を流したうえで、木村主審のジャッジに言及。ノーファウル判定は受け入れられるとの見解を示している。
「スロー再生で1コマずつ見れば、ディフェンス(三浦)が左手で攻撃側(林)の右肩を掴んでいるようにも見えます。(相手選手を押す)プッシングの反則もそうですし、ホールディングの反則にも言えることとして、その行為に不用意さや無謀さがあるか、もしくは過剰な力が使われているか、その行為が相手選手にどれほど影響しているのかを判断します。ホールディング(相手選手を押さえる)という行為があっても、それを反則とするかどうかの判断にはレフェリーの主観が入ると思います」