墓を開いたのは「地震」だった?

 福音書によれば、マグダラのマリアがイエスの遺体が埋葬された墓を訪れた際、入口の石が取り除かれているのを発見したとされる。この石を動かしたのは超自然的な力ではなく、自然現象、つまり「地震」だったのではないか、という説があるのだ。

 少し都合が良すぎるようにも感じられるが、実は福音書自体にこの説を裏付ける可能性のある記述が存在する。『マタイによる福音書』によれば、イエス・キリストの死と復活の時期に、二度大きな地震がその地を襲ったと記されているのだ。

イエス・キリストは十字架で死んでいなかった? 科学が迫る「復活」の真相
(画像=イメージ画像 generated using QWEN CHAT、『TOCANA』より 引用)

 ヘブライ語聖書の専門家であるパデュー大学のローレンス・ミキティウク教授は、「地震が実際に墓を破壊して開ける可能性は確かにある」と語っている。

 マタイによる福音書27章50節には、イエスが息を引き取った時、「地が揺れ、岩が裂け、墓が開いた」と記されている。ミキティウク教授は、「聖金曜日の午後に最初の地震があったが、その時イエスの遺体はまだ十字架に釘付けられていたため、その最初の地震が彼の墓に影響を与えることはなかっただろう」と説明する。「しかし、復活祭の日曜日の明け方に、二度目の、激しい地震があったのは確かだ」。

 つまり、この二度目の地震が墓を開いた可能性は十分にある、というわけだ。