キリスト教の最大の祝祭であるイースター(復活祭)。世界中のクリスチャンが、イエス・キリストの十字架上での死と、その後の復活を記念する日だ。
2000年以上語り継がれてきた物語によれば、神の子イエスは十字架で処刑された後、巨大な石で封印された墓に埋葬された。しかし3日後、墓の入口を塞いでいた石がひとりでに転がり、墓は空になっていた。イエスは死から蘇ったのだ、と。
だが、この物語にはいくつかの疑問が投げかけられてきた。人間の力では動かせないほどの巨大な石が、どうやって動いたのか? そもそも、イエス・キリストは本当に十字架の上で死んでいたのだろうか? 科学者たちの間では、今もこの議論が続いているのだ。
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十字架で「死んでない」? 失神説の可能性
一つの説として、「失神説(Swoon Theory)」がある。これは、イエス・キリストが十字架上で死んでおらず、単に失神していただけではないか、という考え方だ。
もしそうなら、十字架から降ろされ墓に安置された後、彼は意識を取り戻したことになる。しかし、問題は墓を塞ぐ巨大な石だ。仮にイエスが生きていたとしても、内部からその石を動かすことは不可能に近い。この点を説明するために別の理論が登場する。